2015年10月05日 13:17

昔新聞に毎週エッセイを書いていた。一年間続けて本にして出版した。「デザートに産婦人科のお話を」。これがまた題名が受けたのか売れに売れた。たちまちこの辺だけのベストセラーに。ところが値段を間違えた。売れば売る程赤字になっていく。おまけに仲介者がお金を着服してしまった。これはいかん。慌てて出版を止めたため本はほんの短い間のベストセラーで終わってしまった。27年も前の話である。この頃館長日記を書くようになってから人の書いたエッセイが気になる。団伊玖磨の「パイプのけむり」とか、阿川弘之や高峰秀子のエッセイである。そして思った。やはり文章にユーモアと品がなくてはと。思ってはみたが実際はなかなか難しい。例えば、丁寧な言葉は「お」をつける。つけるは漬る。では奈良漬は丁寧に言うと?三十路四十路は良いけれど、九十歳の九十路はなんと読む?などと書くとちょっと待ってと品格が疑われてしまう。

ところで、品は品でも品胎って知ってます?赤ちゃんがお腹の中に1人いる場合は単胎、2人の場合は双胎、3人の場合は品胎という。ついでながらもう少し品について言わせてもらえば極楽浄土には九つの段位があるらしく、上中下の三品をさらに上中下に分けて、これを九品[くほん]浄土というのだとか。どの品に行き着くかは生前の行いで決まるので注意が必要である。そのためには日頃から上品[じょうぼん]の暮らしを心掛けなくてはいけない。昔から教養の本はといえば新渡戸稲造の「武士道」、岡倉天心の「お茶の本」、内村鑑三の「代表的日本人」の三冊。先ずはこの辺から手始めに。とは言ってもこれらの本を読むと品格が上がるかどうかは保証の限りではないのだが。

コメント

_ いかえもん ― 2015年11月13日 07:39

院長のユーモア溢れる本でしたが、まさか赤字だったとは!!
ブログで復活期待してます!

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