猫よ!8 終わり2017年03月29日 10:29

猫よ!実はおまえ、縁の下で亡くなっていたんだよね。

賢い猫は死ぬときは人に見られないように死ぬんだって本当なんだね。
おまえももう年だったんだものね。

何年もの間ありがとうね。

亡くなってもう何十年経ったろう。
忘れられないんだよね〜。

でも、もう受け入れなくっちゃね。

あの世に行ったら又逢おうね。
そして又遊ぼうね。

きっとだよ。
約束だよ。
じゃ〜ね。
またね。

猫よ!72017年03月21日 14:40

猫よ!おまえは何処へ行ったの?
何時の間にかいなくなったよね〜!

寂しいよ。また一緒に遊びたいよ。
おはじきをしたときさ〜、おまえ全然おはじきとおはじきの間を通せなかったじゃない。ジャレてばかりいてさ。
金魚を飼っていた時に、何時も金魚鉢に背伸びしてたのは、食べたかったの?そんなことしちゃいけないよ。かわいそうじゃないか。

でもおまえは可愛いかったよ。電気の紐を長くしてやると飛びついて電気を消したこともあったよね。
喉を撫でてやると膝に乗って気持ち良さそうに喉を鳴らしたり、私の顔を舐めてくれたり。
一緒に日向ぼっこもしたよね。
何処へ行ったのかなぁ〜!逢いたいなぁ〜。
もう虐めたりしない、実験台にしたりしないから。もっと優しくするから。ねぇ!猫ちゃん!帰って来てよ。

猫ちゃん!・・・会いたいよ〜!

猫よ!62017年03月16日 10:26

猫よ!あれはちょっと可愛いそうだったかな。
猫はどんな高さから落としてもちゃんと足から降りられるのか?と思ったものだから。
1メートル位の高さからだんだん下げていって何度も何度もやってみたけど、猫って本当にすごいね。

よく覚えていないけど、30センチくらいなら大丈夫だったんじゃなかったかな?クルッと回るもんね。でもあまり低くしたものだから、ドテっとなったよね。
申し訳なさそうに忍び足で去ろうとしたよね。
そこを又”それは許さじ”と取っ捕まえて、ひっくり返しては落としひっくり返しては落とし、又続けるんだからちょっとしつこかったよね。

実は興味つつで猫の運動神経とやらを試して見たかったんだ。
終わったときは私の胸にしがみついて、もう止めてよ、というように小さくカリカリと引っ搔いていたね。
実験台にしてしまって、

猫よ!・・・ごめん!

猫よ!52017年03月13日 13:08

猫よ!あんなところで爪を研いだらいかんぞなもし〜!
あれは立派な床の間の柱なんだからな。ピカピカに磨いてあっただろう?
あんなところで爪を研いだらいかん!
おかげで爪を切られてしまったじゃないか。

おまけにピカピカに磨き上げた二階の廊下に放されて、滑って歩けなかったろう。子供たちはみんなで喜んだけど、おまえは大変だったよな〜。
ヘッピリ腰でニャーニャー泣いてたけどあの磨き上げた廊下じゃね〜。もがいてもどうにもならないよね〜。

おまえは柱どころか畳の上でも爪を研ぐんだから、嫌われるよな〜。
あんなことをしちゃいかん、あんなことをしちゃ。
でもおまえの爪を切ったのは、実はこの私なのだ。

猫よ!・・・ごめん!

さんく2017年03月09日 13:09

さんくは耳が聞こえない。だから言葉が話せない。
年齢は不詳だが、40歳はとうに過ぎているだろう。
私が物心ついた頃には、さんくはもう家にいた。
名前の由来は聞いた事もないが、27歳の頃からいたので、さんく(3×9)なのだろうと勝手に推測している。

さんくは勝手気儘に生きている。
勿論そう見えるだけで、本人に相当の悩みがあることは察しがつく。
さんくに何か文句を言うと、物凄い勢いで怒る。
言葉にならない奇声を発し猛烈な勢いで手振り身振りをするのだが、周りの人たちには何を言っているのかまるでわからない。
だからまた始まったと放っておく。

さんくは健康だが、さすがに風邪はひく。
風邪をひくと、布団を敷いて寝たまま2・3日はトイレ以外起きてこない。
その間ほとんど物も食べない。
起き出した頃はもう治っているのである。
起きるとすぐに従業員に混じりスルメの加工の手伝いをしている。
それが自然で誰も文句を言わない。
風邪をひいたら寝ていれば治るのだと子供心に納得していた。
さんくはお金を貯めるのが好きだった。
身寄りもないさんくには、いざという時に頼れるのはお金だけだったのかもしれない。

気難しいさんくに何故か私は可愛いがられた。
学校の成績が良かったり賞状を貰ったりすると、頭を撫でてめんこめんこをしてくれた。
よくおはじきをしては一緒に遊んだ。
私はビー玉をやりたかったが、さすがにさんくはビー玉はやらなかった。

そのさんくがいなくなった。
前にもそんなことがあったのか、みんなは大して気にかける風もなく、今に帰って来るよと言っていた。
行く先もない筈なのに一体何処に行ってしまったのか。
子供心に探しに行かなくてはとは思うのだが、何処へ行けばいいのかが分からない。
とうとうそのままさんくは帰ってこなかった。

しばらくして、さんくが大事なものをしまっておいた押入れを開けて見たのだが、小さな行李に入れたさんくの宝物はなくなっていて、おはじきだけが散らばっていた。