気になる「木」 ― 2016年11月06日 17:30
司馬遼太郎の気になる人は「無名の人」に出てくる「所郁太郎」。
私が気になる木はハナミズキ。
この木は北アメリカ原産で、別名アメリカヤマボウシという。
ミズキの仲間で花が目立つことから花ミズキ。
日本のヤマボウシに似ているからアメリカヤマボウシともいう。
日本では、1912年に当時の東京市長であった尾崎行雄が、アメリカのワシントンに桜(ソメイヨシノ)を贈ったお礼として贈られたのが始まり(1915年)である。
八戸のハナミズキ通りを通るといつもこの名前が気になる。
気になるなら「キ」を取ってしまえば良いかというと、これがまた「ハナミズ通り」となってしまいますますまずい。
「この木なんの木?」と言われなくても名前は分かっているのだが、なんとも気になる「木」である。
そもそもミズキ(水木)とは、水分が多く、切ると水がしたたり落ちるところからきている。
これだとまるで鼻水と同じではないか?
だから花ミズキというとどうしても鼻水を連想してしまうのである。
実はもう一つ気になる「木」がある。それは「ナンジャモンジャ」の木。
名前の「珍百景」に出したいくらいである。
ただし、「ナンジャモンジャ」と名付けられる植物の樹種には、ヒトツバタゴ、クスノキ(樟)、ニレ(楡)、イヌザクラ(犬桜)、ボダイジュ(菩提樹)などがある。
だから「ナンジャモンジャ」と言われてもどの木のことかさっぱり分からない。
その中のクスノキ(樟、楠、)。調べてみると、別名クス、ナンジャモンジャと確かにある。
この木は、全体に特異な芳香を持つことから、「臭し(くすし)」が「クス」の語源となった。
防虫効果があり、巨材が得られるという長所から家具や飛鳥時代の仏像にも使われていた。
また虫害や腐敗に強いため、船の材料としても重宝され大阪湾沿岸からは、クスノキの大木を材料とした古墳時代の舟が何艘も出土している。
日本最大のクスノキは鹿児島県蒲生八幡神社の「蒲生の大楠」(幹周24.2m)。
全樹種を通じて日本最大の巨木である。もちろん国の特別天然記念物。
緑の国勢調査「巨樹・巨木林調査」のトップ10 はほとんどがクスノキです。(1・2位を含めて8本がランクインされている。)
そうなのです。この木は花ミズキどころか、文句なしに「日本一の木」になる「木」なのです。
それにしてもこれ程の大木を育てるのには、余程土が肥えていないといけない。いわゆる腐葉土。
化学肥料なんかではとても駄目でしょうね。
化学肥料といえば悲惨な話があります。
ある年の北海道での出来事。長い間、雨が降らなかったため、牧草地はほとんど枯れ草状態。そして雨。牧草は息を吹き返し、牛たちも青々とした草を沢山食べた。
ところがその直後にその牛たちが、次々と死んでいったのです。
なぜこんな恐ろしいことが起こったのか?
元凶は硝酸態窒素。
いわゆる窒素の取り過ぎです。
植物は、自分の体をつくるのに必要な量以上の窒素を蓄積しても害がない。
土の中にあるだけの窒素を、どんどん吸収してしまう。
干ばつの後に地表近くにたまった窒素(化学肥料で蓄積された窒素)が、雨が降ったせいで一気に牧草に吸収されていったのです。
牧草に含まれていた窒素の量は、ふだんとはケタ違い。それを牛が大量に食べた。
血液のなかで酸素の運搬をしているヘモグロビンは、亜硝酸と結合すると、酸素運搬機能をまったくもたないメトヘモグロビンになってしまいます。(メトヘモグロビン血症)ひどい場合には体全体が酸欠状態になってしまうのです。
いくら肺で呼吸しても、ヘモグロビンが酸素を運べない。そんな状態が牛に起こり、極度の酸欠で牛は死んでしまったのです。
この悲劇は人間にも起こっています。
30年以上前のヨーロッパで血の気のない青い顔をした赤ちゃんがあちこちで生まれて大問題となったことがありました。
窒素の多い草を食べた牛の乳を飲んだり、窒素を多く含んだ生野菜を大量に食べたりした母親の赤ちゃんです。
おかあさんの摂取した過剰な窒素が母乳から赤ちゃんの体に入り、結果的にメトヘモグロビン血症を引き起こした。
その結果、酸欠状態で青い顔のグッタリした赤ちゃんが生まれたのです。
いわゆるブルーベイビー事件。
これがきっかけで化学肥料に対する批判が高まり、やがて環境税の導入、化学肥料に対する課税、過剰な使用に対する規制となったのです。
化学肥料って“こわーい“ですね。
私が気になる木はハナミズキ。
この木は北アメリカ原産で、別名アメリカヤマボウシという。
ミズキの仲間で花が目立つことから花ミズキ。
日本のヤマボウシに似ているからアメリカヤマボウシともいう。
日本では、1912年に当時の東京市長であった尾崎行雄が、アメリカのワシントンに桜(ソメイヨシノ)を贈ったお礼として贈られたのが始まり(1915年)である。
八戸のハナミズキ通りを通るといつもこの名前が気になる。
気になるなら「キ」を取ってしまえば良いかというと、これがまた「ハナミズ通り」となってしまいますますまずい。
「この木なんの木?」と言われなくても名前は分かっているのだが、なんとも気になる「木」である。
そもそもミズキ(水木)とは、水分が多く、切ると水がしたたり落ちるところからきている。
これだとまるで鼻水と同じではないか?
だから花ミズキというとどうしても鼻水を連想してしまうのである。
実はもう一つ気になる「木」がある。それは「ナンジャモンジャ」の木。
名前の「珍百景」に出したいくらいである。
ただし、「ナンジャモンジャ」と名付けられる植物の樹種には、ヒトツバタゴ、クスノキ(樟)、ニレ(楡)、イヌザクラ(犬桜)、ボダイジュ(菩提樹)などがある。
だから「ナンジャモンジャ」と言われてもどの木のことかさっぱり分からない。
その中のクスノキ(樟、楠、)。調べてみると、別名クス、ナンジャモンジャと確かにある。
この木は、全体に特異な芳香を持つことから、「臭し(くすし)」が「クス」の語源となった。
防虫効果があり、巨材が得られるという長所から家具や飛鳥時代の仏像にも使われていた。
また虫害や腐敗に強いため、船の材料としても重宝され大阪湾沿岸からは、クスノキの大木を材料とした古墳時代の舟が何艘も出土している。
日本最大のクスノキは鹿児島県蒲生八幡神社の「蒲生の大楠」(幹周24.2m)。
全樹種を通じて日本最大の巨木である。もちろん国の特別天然記念物。
緑の国勢調査「巨樹・巨木林調査」のトップ10 はほとんどがクスノキです。(1・2位を含めて8本がランクインされている。)
そうなのです。この木は花ミズキどころか、文句なしに「日本一の木」になる「木」なのです。
それにしてもこれ程の大木を育てるのには、余程土が肥えていないといけない。いわゆる腐葉土。
化学肥料なんかではとても駄目でしょうね。
化学肥料といえば悲惨な話があります。
ある年の北海道での出来事。長い間、雨が降らなかったため、牧草地はほとんど枯れ草状態。そして雨。牧草は息を吹き返し、牛たちも青々とした草を沢山食べた。
ところがその直後にその牛たちが、次々と死んでいったのです。
なぜこんな恐ろしいことが起こったのか?
元凶は硝酸態窒素。
いわゆる窒素の取り過ぎです。
植物は、自分の体をつくるのに必要な量以上の窒素を蓄積しても害がない。
土の中にあるだけの窒素を、どんどん吸収してしまう。
干ばつの後に地表近くにたまった窒素(化学肥料で蓄積された窒素)が、雨が降ったせいで一気に牧草に吸収されていったのです。
牧草に含まれていた窒素の量は、ふだんとはケタ違い。それを牛が大量に食べた。
血液のなかで酸素の運搬をしているヘモグロビンは、亜硝酸と結合すると、酸素運搬機能をまったくもたないメトヘモグロビンになってしまいます。(メトヘモグロビン血症)ひどい場合には体全体が酸欠状態になってしまうのです。
いくら肺で呼吸しても、ヘモグロビンが酸素を運べない。そんな状態が牛に起こり、極度の酸欠で牛は死んでしまったのです。
この悲劇は人間にも起こっています。
30年以上前のヨーロッパで血の気のない青い顔をした赤ちゃんがあちこちで生まれて大問題となったことがありました。
窒素の多い草を食べた牛の乳を飲んだり、窒素を多く含んだ生野菜を大量に食べたりした母親の赤ちゃんです。
おかあさんの摂取した過剰な窒素が母乳から赤ちゃんの体に入り、結果的にメトヘモグロビン血症を引き起こした。
その結果、酸欠状態で青い顔のグッタリした赤ちゃんが生まれたのです。
いわゆるブルーベイビー事件。
これがきっかけで化学肥料に対する批判が高まり、やがて環境税の導入、化学肥料に対する課税、過剰な使用に対する規制となったのです。
化学肥料って“こわーい“ですね。
最近のコメント